2021/11/11 19:00
広報で目にとまった展示があり、一宮市三岸節子記念美術館へ行きました。
旧尾西市で、実家から距離があったからか、
地元にこのような美術館があり、素晴らしい画家がいることを初めて知りました。
建物は生家の織物工場ののこぎり屋根を模したデザインで素敵でした。
節子さんの経歴を見ると、
19歳で結婚、20歳で第一子出産、同じ年に美術展入選、3人出産して、29歳で夫急逝。
なんと!30歳にしてこれだけの経験済!
絵を見ずともすごいバイタリティだということがわかります。
もちろんこの後子育てをしながら画家として活躍していくわけです。
こういうことを聞くといつも
え、お手伝いさんいたよね?おばあちゃんが見てくれてたよね?ねえ、そうだと言って!
と思ってしまいます。
今は、女性はできるだけキャリアを積んでから結婚妊娠しないと、と考えがちですが、
私も不妊治療を経験し、出産適齢期を学んだので
早く産んでその後キャリアを積める社会になればいいのにと思ったりします。
現実はなかなか難しい。
でも節子さんはまさにそんな生き方だったのではないでしょうか。
絵の話じゃなくなってしまいました。
今日は花をテーマにしたコレクション展を行っていたのですが、
「なんの花を描いたのですか?とよく聞かれますが、それはあまり関係なく、何の花という事もなく、私の心の中にある花なのです」
というような節子さんの手記がありました。
その言葉通り、写実的でななく抽象的な画風でした。
形ではなくこんな色の花が描きたいというふうにモチーフを選んでいるようでした。
私がやっている風景画も、現実をよく観察してそれを表現するのが大事ではあるのですが、
あらためて、絵はこういうものだな、モチーフはあくまでモチーフ、自由に描いていいんだよな、と思いました。
一宮市三岸節子記念美術館